NHK BS2「“認罪”〜中国 撫順戦犯管理所の6年〜」 制作:テムジン

途中から観たが、非常に良い番組だった。

中国における戦犯の扱いについて、全く無知であったことを知らされた。
シベリアから移された日本人戦犯が、どのように扱われ、どのように感じ、どのように帰還し、その後どう暮らし、今どう思っているのか、更に、中国側の関係者の証言や、資料も丹念に集められていて、圧巻というほか無いものだった。

戦犯を断罪し溜飲を下げる代わりに、自らの罪を認識させ、悔悟させ、その上で寛大な処置をとるというやり方は、日中に今でもいる憎悪の応酬にとらわれている人たちと比べて、如何に未来を明るくするものであったかということを感じさせられた。
もちろん、政治的意図や、非人道的な面など、手放しに褒められたことばかりではないということは前提としても、トータルにみて、いい意味で大人の対応であったと。

特定アジアなどという言葉を使って、憎悪のスパイラルを募らせる人たちにも観て欲しい番組。
また、厳罰化を追い求める人たちにも。

まあ、これを観ても、偏向だと騒ぎ立てるだけの人もいるかもしれないが。

追記:
史実は一つでも、見方によっていろいろに見えるという例。
http://www.youtube.com/watch?v=RAdq0kAn24o
テムジンの制作したドキュメンタリーは、手放しで賛美する内容では決して無く、淡々と証言や事実を連ねていた。
もちろん、客観や中立なんてものは幻想に過ぎないわけで、どちらかというと好意的な立場ではあったと思うが。
一方のチャンネル桜は…。